件大納言
ばんだいなごん
画題
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解説
画題辞典
件大納言、名は善男といふ、貞観八年閏三樓月一日夜、其子右衛門佐中庸と共に應天門及東西の楼観を焼く、而して知らざる為して罪を左大臣源信に嫁し之を陥れんとせしが、大政大臣藤原良房、信の為めにその寃を弁し、信免かれ、善男はその秋に至り事露は瘺れ遠流に処せらる、事二代実録宇治捨遺物語に記載さる、酒井伯欝所蔵藤原光長筆件大納言絵詞あり、この事件を画く、件大納言絵詞は三巻よりなる、一に應天門絵詞ともいふ、筆致勁抜生気横溢、希世の珍なり、詞書は参議飛鳥井雅経といふ。
(『画題辞典』斎藤隆三)