宝珠
ほうじゅ
画題
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解説
画題辞典
仏家の謂ゆる如意宝珠にして、一種の球形をなし上部に或に火焔を附したるあり。如意輸観音にこの球を手にし給ふを通例とす。或は宝塔の最上部に置かるゝことあり。種々の珍宝意のまゝに来るの心より屡々この珠のみを画きて珍重し。歳端には歳徳紳に捧ぐるの風習あり。名家の筆に成るもの少しとせず。
京都博物館に伊藤仁斎所画あり。東京岡部薇香氏所蔵に狩野常信筆あり。近代にては橋本雅邦の画少しとせず。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
如意宝珠又は摩尼宝珠、或は珍多摩尼といふ、この宝珠を所持すれば、所願意の如くこの珠中より顕出するといふ、芋頭の如くで上に段々と三線あるもの、珠に火焔のあるものなどあり、昔は、画師の家にて新春に師弟相集りこれを描くのが例であつたといふ。
因復指河曲之淫隅曰、彼中有宝珠泳可得也、商丘開復従而泳之、既出、果得珠焉。 (黄帝篇)
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)