滕王閣
とうおうかく
画題
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解説
画題辞典
支那江西省南昌府新建縣の西章江門上にあり、西は大江に臨む、唐高祖の子嬰洪州に都督とし滕王に封せられし時築く所なり、後咸亨二年閻伯嶼洪州の牧となり宴を閣上に開く、此時会々王勃帰省して南昌を過ぎ、宴に与りて序を為る、後王緒賦を作り、王仲舒記を作る、後韓愈又新修滕王閣序を作る、王勃又詩あり。左の如し。滕王高閣臨江渚、珮玉鳴鸞罷歌舞、画棟朝飛南浦雲、珠簾暮捲西山雨、閒雲潭影日悠悠、物換星移幾度秋、閣中帝子今何在、檻外長江空自流和漢画家共に之を図する少しとせず。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
滕王閣は支那江西省南昌府新建県にある、唐の高祖の末子、滕王元嬰の建てたもの、元嬰歿して後三十年にして閻伯嶼大に滕王閣に会し、席間、筆紙を出して序を求めたが、客敢へて当るものがない、時に王勃年少なるに拘らず、これを受けて辞せず、『滕王閣』の詩を賦す、詩、載せて『唐詩選』にある。
滕王高閣臨江渚、佩玉鳴鸞罷歌舞、画棟朝飛南浦雲、朱簾暮捲西山雨、間雲潭影日悠々、物換星移度幾秋、閣中帝子今何在、檻外長江空自流。
唐の張高にも亦『滕王閣』の作あり曰く。
昔人登覧処、遺閣大江隅、曇浪有時有、閑雲無日無、早涼先燕去、返照後帆孤、未得営帰計、菱歌満旧湖。 (佩文斉詠物詩選)
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)