釈迦如来
しゃかにょらい
画題
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解説
画題辞典
釈迦如来、釈迦牟尼仏、中印度迦毗羅城主浄飯王の子、母は麻耶夫人、西紀前五百五十八年頃、四月八日を以て、嵐毗尼園の樹下に生る、生れて四方を七歩し、天上天下唯我獨尊と唱ふと称す。瞿曇又悉達太子と称し、長じて耶輪陀羅を娶り、 一子羅睺羅を生む、已にして厭世の志を起し、二十九歳(又は十九歳)の時、宮中を遁れて出家し、跋伽、阿藍伽藍の諸仙人を尋ね、苦行六年、更に禁欲の無益を知り、山を出で、菩提樹下に端坐し真正覺を成就す、爾来大法を宣伝し、五比丘、三迦葉、阿難、目蓮、舎利弗を教化す、成道四十餘年、拘尸城外沙羅双樹の下に入滅す、仏教はその一代に於て説きたる新教にして.種姓の区別を斥け、一切衆生を平等とし、何人も邪慾を去り世間の繋縛を脱すれば、未来に於て幸福を受くべしと主張す、遂に東洋全部に亙りての一大宗教となる、随って信仰の標目として釈迦を画けるものも其数甚だ多し。釈迦一体を図せるもの、
山城神護寺所蔵釈迦如来一図、
京都玉林寺所蔵釈迦如来一図、
近江西教寺所蔵釈迦如来一図、
国宝なり。
大和法隆寺金堂壁画及印度アジャンタ岩窟寺壁画等は釈迦一代を画きたる古き仏画なり。又京都大徳寺中聚光院所蔵には狩野元信筆釈迦逹磨臨済三幅対あり。尚ほ釈迦三尊、苦行釈迦、出山釈迦、釈迦八相等に就きては各その条下を見るべし。
(『画題辞典』斎藤隆三)