鹿島踊
かしまおどり
画題
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解説
画題辞典
元禄頃に流行せし舞踊なり。「これやこなたへ御免なりましよ。鹿島大明神さまの御託宣云々」と称え、多人数打寄りての踊りなり、
英一蝶図(河村源四郎氏所蔵)あり。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
常陸の鹿島の事触れの踊る一種の踊で、元禄頃に流行したもの、泡斎念仏踊などに倣つたもので、松の落葉にある「大小見ん踊」は即ち鹿島踊のことであるといふ。
大小見ん踊
鹿島浦からのう、浦から/\宝舟が着いたとさ、顔の若やぐ年男、よい事/\よい/\こと/\、よいことぶきを祝うて事ふれが参りた是やこなたへ御免なろ、まづ来年の恵方は、申酉の間をば年徳神と定めて、庚辰の歳始め卯の十六日が豆蒔だ、わつと掴んでよいやさ鹿島踊をばちちちつと、ちと/\ちつと踊り拍子にかかつて、これや此方へもの問はう、まづ正月は大かのはて、大とも/\二月小、三月大、四五小々だ、それ六月は大よの、さて/\さて/\どつこい七八月は小と定めて九月は大の菊月、十月小は合点か、霜月師走は大々きはめて、しつかと極めた、大小げんと定めた。
鹿島踊を画いたものでは、英一蝶の作(河村源四郎氏蔵)名高く、菱川師宣にもあり、又喜多川歌麿にも『青楼仁和加鹿島踊図』(三原繁吉氏蔵)がある。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)