乙御前
おとごぜ
画題
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解説
画題辞典
三平二満の醜女をおとごぜという、又お福女、お多福などの名あり、歳徳女ともいう。笑ふ門には福来るなどいう諺あるより、めでたきものに数えられ、古来屡々画家の筆端に上る。
因洲池田侯爵所蔵緒方光琳筆、東京帝室博物館所蔵小川破笠筆は共に珍とすべく。其他江戸時代の画家の筆に成るもの極めて多し。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
おとはおとがひ(頤)の略ならむ、頤の脹れたるを云ふ、おたふく、と云ふも、おとふくの転と思はる、お多福に同じ。おふく。 (大言海)
『やアこれはおとごせぢや、なう/\疎ましや』 (狂言算勘婿)
福女として画かるゝもの多い。
尾形光琳筆 因州池田家旧蔵
尾形乾山筆 藤田男爵家旧蔵
酒井抱一筆 同
小川破笠筆 東京帝室博物館蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)