周防内侍
すおうのないし
画題
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解説
東洋画題綜覧
平安朝時代の女流歌人、周防守継永の女で、後冷泉天皇の後宮に仕ふ、曽て
恋ひわびてながむるそらのうき雲やわが下萌の煙なるらん
と詠じ『下萌の内侍』と称せられた、『千載集』の
春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなくたゝむ名こそおしけれ
は小倉百人一首に収められてゐる、此の外金葉集にも数首収められてゐる。
いかばかり神もあはれとみ笠山二葉の松の千代のけしきを (金葉和歌集)
昔にもあらぬわが身にほととぎすまつこころこそかはらざりけれ (同)
山桜をしむ心のいくたびか散るこのもとにゆきかへるらむ (千載和歌集)
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)