嵩山
すうざん
画題
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解説
東洋画題綜覧
支那五嶽の一、中嶽のこと、別名を嵩嶽、太室山、嵩高山等といふ、河南省河南府登封県の北に位し、伏牛山脈の一支脈である、元和志には高さ二十清里、周一百三十清里と云ふ、近時学者の実測する所によれば、海抜七、八〇〇尺であると、古来霊山とし、史記の封禅書に『昔三代之君皆在河洛之間、故嵩高為中嶽』と見え、禹貢、北伝、史記を初めとして、歴代の史志多くこれを記して居る、其西方に少室山があり、太室に対して居り、其附近には寺観極めて多く、嵩嶽廟、並に法王寺、嵩嶽寺、竜潭寺、嵩陽宮、嵩福宮、白鶴観等有名であり少室山麓の少林寺は菩提達磨面壁九年の古跡である。
送楊山人帰嵩山 李白
我有万古宅、嵩陽玉女峰、長留一片月、桂在東谿松、爾去掇仙草、菖蒲花紫茸、歳晩或相訪、青天騎白竜。
帰嵩山作 王維
清川帯長薄、車馬去間々、流水如有意、暮禽相与還、荒城臨古渡、落日満秋山、沼逓嵩高下、帰来且閉関。 (佩文斎詠物詩選)
嵩山は霊山として尊崇される処から山水図としてよく描かれ、又、『名数画譜』には石鼎の図を載せてゐる。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)