鴬宿梅
おうしゅくばい
画題
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解説
東洋画題綜覧
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)
紀貫之の娘が、大内に梅を召され鴬のために一首の和歌を詠じて奉つたといふ、出処は『大鏡』第八である。
天暦の御時に清涼殿の御前の梅の木の枯れたりしかば、もとめさせ給ひしに、なにがしのぬしのくらうどにていまそかりしとき、うけ給はりてわかきものどもは、え見しらじ、きんぢもとめよとの給ひしかば、ひと京まかりありきしかども侍らざりしに、西の京のそこ/\なる家に、色こくさきたる木のやうだい、うつくしきが侍りしを、ほりとりしかば、家あるじの木にこれゆひつけてまゐれといはせたまひしかば、あるやうこそはと、もてまゐりて候ひしを、なにぞとて御らんじければ女の手にてかきて侍りける。
勅なればいともかしこし鴬のやどはととはゞいかにこたへむ
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)