不忍池
しのばずいけ
画題
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解説
東洋画題綜覧
東京上野台と本郷台との間の低地に滞溜した池、面積十三町歩余、其池縁を元に競馬競車の埒場とし長七百四十間、藍染川北より来り之に注ぎ池心には小島あつて弁天堂あり、いまは池の中に三叉形に小径を通じて遊歩に便ならしめ、南東の池中には、蓮夥しく冬は小禽盛に群れて壮観である。
東叡山の麓にして紅白の蓮玉を吐きて朝日を迎ふ、池の見渡し三四町、長五七町程、源は谷中千駄木の谷々の流を受たり、下谷の岡村々の用水堤と云へり、名所記には昔此辺萱薄生茂りて、道のさかひも分ざるに、此池計り顕れ見えたる故、忍ぶこと能はざる心にて不忍といふとしるせり。 (江戸砂子)
江戸名所として広重の作最も聞えてゐる。
一立斎広重筆 『不忍落雁』 京都八景の中
同 『不忍池之図』 江戸名所の中
同 『上野不忍之図』 京都名所の中
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)