子日遊
ねのひのあそび
画題
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解説
東洋画題綜覧
小松曳ともいふ、子日遊は根延の意かともいふ、古へ正月初子の日に、人々野辺に出で小松を引き、若菜を摘んで遊宴をする、朝廷にも子日宴があり、若菜を供し、羹として供御とする。
天安元年二月禁中有曲宴、昔者上月之中、必有此事、時謂之子日態、今日之宴修旧跡也。 (文徳実録)
倚松樹以摩腰、習風霜之難犯也、和菜羮而啜口、期気味之克調也 菅
倚松根摩腰、千年之翠満手、折梅花挿頭、二月之雪落衣 尊敬
ねの日する野辺にこまつのなかりせば千代のためしになにをひかまし 忠岑
ちとせまで契りし松もけふよりは君に引かれてよろづよやへむ 能宣
ねの日しにしめつる野辺の姫小松ひかてやちよのかけをまたまし 清正
(和漢朗詠集)
子日遊は大和絵の好画題として古来描かるゝもの少くない。
冷泉為恭筆 有賀長文氏旧蔵
同 藤田男爵家旧蔵
宇喜多一蕙筆 京都泉涌寺蔵
斎藤弓弦筆 第八回文展出品
前田氏実筆 第八回文展出品
川辺御楯筆 宮田家旧蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)