七媛女
ななおとめ
画題
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解説
東洋画題綜覧
神武天皇、日向国高佐士野に七媛にあひ給ひ、その中から伊須気余理比売を見て后となし給ふこと『古事記』に見ゆ、曰く
於是、七媛女、高佐士野に遊べる、伊須気余理比売、其の中に在りき、爾大久米命、その伊須気余理比売を見て、歌を以て天皇に曰しけらく
倭の、高佐士野を、七行く、媛女等、誰をし覓かむ
爾に伊須気余理比売は、その媛女等の前に立てりき、乃、天皇その媛女等を御見して、御心に伊須気余理比売の最前に立てる事を知り給ひて、御歌もて答へ曰はく
且々も、最前立てる、可愛をし覓かむ
爾、大久米命、天皇の御命を、其の伊須気余理比売に詔れる時に、其の大久米命の裂ける利目を見て、奇しと思ひて
あめつつ、ちとりましとと、何裂ける利目。
と歌ひければ、爾大久米命
媛女に、直に逢はむと、吾が裂ける利目。
と歌ひて答へける、其の嬢子「仕へ奉らむ」と曰しき。 (古事記中巻)
これを画ける作
堀井香坂筆 第十一回帝展出品
真野満筆 第十八回院展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)