官女曳猫
かんじょえいびょう
画題
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解説
画題辞典
平安朝時代に於て宮中に於て、女房が猫を養い愛したることは、当時のものにも屡々見らるゝ所なり。官女の綱にて猫を曳くの図は一部の画家の古来好んで描きたる所となす。
東京帝室博物館に歌川国道の筆あり。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
官女の猫と戯るゝ図、ねこ「猫」を見よ。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)
平安朝時代宮中で官女が猫を飼ひ愛したことよく見る処であるが、『源氏物語』若菜の巻の『女三の宮の猫』などもそれである。曰く
猫はまだよく人にもなつかぬにや、つないと長くつきたるけるを物にひきかけまつはれにけるを、逃げんとひこじろふ程に御簾のそばいとあらはにひきあげられたるを、とみにひきなほす人もなし。
と、これを図するもの浮世絵に多い。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)