剡渓訪戴
えんけいほうたい
画題
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解説
東洋画題綜覧
子猷が月夜戴安道を訪ひ門を叩かずして帰つたといふ故事、子猷曽て山陰にあり、或る夜雪霽れて月の色が美しいので、独り月に対して酒を酌み左思が招隠詩を詠じてゐたが、不図戴安道の剡渓にあるを思ひ出し、即刻舟を命じて剡に赴き、将に戴の門前まで抵つたのにその門を叩かずして舟を返した、人訝つてその故を問ふと、子猷対へて曰ふ、本これ興に乗じて行つたのであるから、興が尽くれば直ちに帰るばかりであると。
これを描くものに久隅守景筆(鹿島氏所蔵)小堀鞆音筆(本田敏明氏蔵)等がある。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)