筑波山
つくばさん
画題
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解説
東洋画題綜覧
関東の名山、常陸国筑波、真壁、新治の三郡に跨り山頂は男体女体に分れ、女体の頂上は海抜二八九七尺、男体は二十尺低い、男体の頂上に筑波山神社奥院があり、女体の上にも小さい祠がある、昔は此の山に嬥歌などあつて万葉時代から知られ、その眺望の広闊雄大なことも類がない。
登筑波嶺為嬥歌会日作歌一首並短歌 高橋虫麿
鷲のすむ、筑波の山の、もはつきの其津の上に、いさなひてをとめをとこの、往つとひ、かかふかがひに、ひと妻に吾もまじらむ、吾妻に人もこととへ、此山をうしはく神の、昔よりいさめぬわざぞ、今日のみは目くしもな見そ、ことも咎むな。
男神に雲たち登りしぐれふりぬれ通るともわれかへらめや (万葉集)
筑波は富士と双幅によく画かれ、殊に谷文晁によりこれを見る。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)