名花十友
めいかじゅうゆう
画題
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解説
画題辞典
宋の尊端伯十花を撰びて十友となし各々之が詞を作る、即ち左の十花にして、之を一図に収めて図す。茶靡〔韻友)、某莉(雅友)、瑞香(珠友)、荷花(浮友)、厳桂(仙友)、海棠(名友)、菊花(佳友)、芍薬(艶友)、梅花(清友)、梔子(禪友)、之を画くもの文人画に多し、近くに崋山椿山等の画く所知らる。渡辺崋山筆(原富太郎氏所蔵)山本梅逸筆(池田候爵旧蔵)
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
宋の曽端伯、名花十種を択び、これを十友に配す、即ち左の如し。 (蓬窓日録)
茶蘼(韻友) 茉莉(雅友) 瑞香(殊友) 荷花(浮友)
巌桂(仙友) 海棠(名友) 菊花(佳友) 芍薬(艶友)
梅花(清友) 梔子(禅友)
右の中、茶蘼は、薔薇科の『ときんいばら』の漢名で、支那産夏日重弁の白花を開く、茉莉は支那産の灌木、芳香を有し夜白花を開く、巌桂は俗に木犀と呼ぶ(「桂花」を見よ)荷花は蓮である。
名花十名は南画家の好んで画くところ作例少くない。
渡辺崋山筆 原善一郎氏蔵
椿椿山筆 仙台伊沢氏旧蔵
山本梅逸筆 池田侯爵家旧蔵
滝和亭筆 香耕館画賸所載
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)