鯰
なまず
画題
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解説
東洋画題綜覧
魚学上では喉鰾類に属し、その幼魚の時代を『しやうげんぼう』と呼び長さ三寸以内のものを『ぎちや』と称へる、眼は円く比較的大きく、その口が亦大きく上下に二対の髭があり背には極く小さい脊鰭がある、これに一条の鋭い蕀を有す、成魚は一尺内外、性、淡水に産し貪婪にして昼間は多く川や沼の泥深い底に潜み、夜間出でて食を求め廻る、形が瓢逸なのでよく絵画の題材となる。古は鮎の字を用ひたが、今は此の字『あゆ』に奪はれ、鯰の字を書いてゐる。
鯰を描いた作
伝元信筆 『水草遊魚襖絵』 京都聚光院蔵
僧如拙筆 『鮎瓢図』 京都退蔵院蔵
森白甫筆 『池心洋々』 第十四回帝院出品
橋本静水筆 『五月雨の沼』 第十五回院展出品
吉川霊華筆 『池塘清趣』 別府金七氏旧蔵
川端竜子氏 『請雨曼荼羅』 第一回青竜社展出品
小松均筆 『鯰』 第十八回院展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)