紀貫之
きのつらゆき
画題
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解説
前賢故実
中納言長谷雄の孫。望行の子。和歌に秀でた。從四位下、木工頭にまで累進。天慶九年卒。延喜中、貫之は従弟の友則らとともに勅命を奉じて、古今和歌集を撰定し、序を作成した。かつては紀伊へ赴く途中、夜の和泉を通るときに、貫之の乗っている馬が地面に伏して進まなくなった。人が貫之に「この地に神祠に通う蟻がいるので、ここを通るときに下馬しないと、神様に怒られる。」と伝えた。貫之は大いに驚き、すぐに下馬して顔を洗い口を漱いでから、和歌を吟じ上げた。すると、馬は前進するようになった。
あまくもの たちかさなれる よはなれば ありとほしをば おもふべしやは
(『前賢故実』)