訶梨帝母
かりていも
画題
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解説
画題辞典
梵語ハーリテイ、意訳して鬼子母という。鬼子母神の条を見るべし。
訶梨帝母像(京都醍醐三宝院所蔵)は国宝なり。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
梵語訶梨帝は或は阿梨底とも称す、印度の鬼女の名、青色と訳す、鬼子母神はその義訳である、人の子女を食ふ鬼女であつたが、釈尊に降伏するところとなつて仏命を奉じ一切女に無畏の益を施すことを誓つた理由から、真言宗では訶梨帝母、日蓮宗では鬼子母神として盛に祭祀せらる。
二十天の随一で、容貌端厳の女神である、この天、生むところの千子中、最少なのを愛奴と名づけ愛してゐたが、常に人の子を食ふので、仏これを教化しやうとして愛奴を鉢下に蔵す、訶梨母これを覓めたが得ず、途に仏に降伏したので、鉢を掲げて還す、のち千子みな鬼王となる、仏これに五戒を授けて正法に帰せしむ 人の未だ子なきものこれを祀れば則ち子を得といふ。
身相は天女形で頭に宝冠あり、肌の色白紅、宝台に座し、両足を垂れ、足の両側や膝の上に孩児が居り、左手になほ一人の孩児を懐き、右手に吉祥菓を持つ。 (仏教辞林)
密教及日蓮宗には画像が多いが近く左の作がある。
堂本印象筆 『訶梨帝母』 第四回帝展出品
板倉星光筆 『鬼子母善神』 同上
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)