釈迦八相

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しゃかはっそう


画題

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解説

画題辞典

釈尊が現世に出現して、衆生に随順して示せる相に八種あることをいう。その八種に就いては各家いう所によりて名称一ならざるも概ね大同小異なり、即左の如し。

一、降兜率、託胎、降生、出家、降魔、成道、説法、涅槃

二、受胎、降生、処宮、出家、成仏、降魔、説法、涅槃

三、在天、処胎、初生、出家、座道場、成道、転法輸、入涅槃

四、生天、処都率天、下天托胎、出胎、出家、降魔、転法輸、入涅槃

五、住胎、嬰孩、愛欲、樂苦行、降魔、成道、転法輸、入滅

之を描けるもの、伝最澄の筆というもの近江常樂寺にあり

伊勢大福田寺所蔵釈迦八相成道図一幅、

京都万壽寺所蔵八相涅槃図一幅、

越前剣神社所蔵八相涅槃図一幅は国宝なり、

東京団琢磨氏蔵品にも土佐経隆の筆八相図あり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

釈迦が現世に出現して、衆生の為に現はした八の相である、即ち

降兜率、託胎、降生、出家、降魔、成道、説法、涅槃

或は

受胎、降生、処宮、出家、成仏、降魔、説法、涅槃

外に

一、在天、処胎、初生、出家、座道場、成道、転法輪、入涅槃

二、生天、処都率天、下天訰胎、出胎、出家、降魔、転法輪、入涅槃

三、住胎、嬰孩、愛欲、楽苦行、降魔、成道、転法輪、入滅

であり、人に依つて説を異にしてゐる、而して之を画けるものに左の作がある。

伝最澄筆           近江常楽寺蔵

土佐経隆筆          団伊能氏蔵

筆者不明  『八相涅槃図』  京都万寿寺蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)