胎蔵界曼陀羅

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たいぞうかいまんだら


画題

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解説

画題辞典

真言宗の曼陀羅にして左図の如く十三院より組立てらるゝを以て、十三大院とも又十三大会曼陀羅とも称す。中台は即ち大日如来にして真言於て心王とする所なり、内に四仏四菩薩あり中心を成す、遍知院は阿字本不生の名あり、此に九尊あり、釈迦院は方便の義にて三十九尊あり、文殊院は智慧の地にして二十五尊あり、持明院には五尊ありて五人を表はす、虚空蔵院に福智二徳の地にして二十八尊あり、蘇悉地院は妙成就の義にして八尊あり、観音院は慈悲を表はすものにして三十七尊あり、地蔵院は万法出生の義にして九尊あり、金剛手院は一に薩陀院ともいう、三十三尊あり、除蓋障院は滅罪の義にして九尊あり、以上を内院とし、外院なる金剛部院は心教諸曼陀羅の義にして四方合して二百五尊あり、是れ要するに、大日如来の加持力に依り仏菩薩其身を中台八葉に現し、金剛密印によりて第一重内の諸眷属を現し、大悲万行によりて第二重の大眷属を現し、普門方便によりて第三重の一切衆生喜見随類の身を現し、衆生を済度し給ふの意を表はせるものなり、諸尊は何れも皆円相の中にありて、そのまゝに蓮台の上に坐せり、是れ金剛界に対し胎蔵界の理を主とするを示せるなり、密教隆盛の藤原時代に於て多く作らるゝ所となす、両界曼陀羅の条参照すべし。

(『画題辞典』斎藤隆三)