班婕妤

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はんしょうよ


画題

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解説

画題辞典

班婕妤は前漢成帝の女官なり、少にして才学の誉高し、時に趙飛燕なる姉妹の宮人あり。之を羨み婕妤帝を呪すと讒す、婕妤「死生命なり富貴天なり、己れ正しく身を修めて尚未だ福を得ず、曷そ邪欲の念を起すべき云々」と答へて帝の疑を解きしも、やがてその危難の再び来るべきを思うて、紈扇詩を作りて其志を述べたり、詩に曰く、 新製齊紈素、皎潔如霜雪、裁成合歓扇、国々似明月、出入君懐袖、動揺微風発、当恐秋節至、涼飄奪炎熱、棄榻篋笥中、恩情中道絶、

武蔵渡邊氏所蔵に田能村竹田の筆あり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

班婕妤は支那、漢の成帝の宮人、帝の寵を一身に受けて其官婕妤に至り、常に詩を誦す、その寵衰うるや有名な『怨歌行』の作がある。その『前漢書』九七外戚伝にある。

班婕妤、成帝初即位選入後宮、始為小使俄而大幸為婕妤、成帝遊於後庭、嘗欲与婕妤同輦載、婕妤曰、観古図画、賢聖之君皆有名臣在側、三代末主廼有嬖女、今欲同輦無近似之乎、上善其言而止、其後趙飛燕姉弟寵盛、班婕妤及許皇后皆失寵、稀復進見趙氏姉弟驕妬、婕妤恐久見危、求共養大后長信宮、上許焉、婕妤退処東宮、作賦自傷悼、至成帝崩婕妤充奉園陵薨因葬園中

     怨歌行

新裂斉紈素、皎潔如霜雪、裁為合歓扇、団円似明月、

出入君懐袖、動揺微風発、常恐秋節至、涼颷奪炎熱、

棄捐篋笥中、恩情中道絶。  (古文真宝)

班婕妤を画ける左の諸作がある。

田能村竹田筆        武蔵波辺氏蔵

平福百穂筆         宮下武一郎氏蔵

荻生天泉筆  『婕妤怨』  第一回文展出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)