源弘
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みなもとの ひろむ
画題
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解説
前賢故実
嵯峨天皇の子。正三位大納言にまで昇進。幼い頃より聡明で機知に富み、書を愛し、隷書を得意とした。器が大きくて仁愛の心を持ち、政治や政策に通暁していた。かつて嵯峨天皇は、諸皇子の中に最も学問が好きな子は弘だと言い、弘に経籍を賜与したことがあった。そのため、弘の蔵書はほかの皇子より倍以上にあったのだ。また、管弦が好きで、仕事が終わって自宅に戻ると、琴や書を手にして一人で楽しんでいた。貞観五年薨去、享年五十二歳。広幡大納言と呼ばれていた。
勅命を奉じて太上天皇訪浄上人疾の詩に和する 源弘 時年十六
高僧幾歳養清閑(高僧がのんびりした生活を何年も送っている) 空裏天花暎暮山(夕暮れ頃の山が空に飛んでいる白雪に映え) 野客時来将問疾(世事を逃れてきた客が病中の高僧の見舞いに来た) 疎鐘猶隔白雲間(まばらな鐘の音がまるで白雲の間から聞こえてきたようだ)
(『前賢故実』)