平家女護島

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へいけにょうごのしま


総合


歌舞伎

浄瑠璃、五段、時代物近松門左衛門作。享保四年(1719)竹本座初演。 「平家物語」に題材を取り、重衡の都攻めより俊寛の遠島、清盛の病死、常磐、牛若の苦心、宗清の情、頼朝の旗上げまでを脚色した作。 今日上演される俊寛はその二段目「鬼界ケ島」の場で、謡曲「俊寛」によっている。 平家転覆の陰謀が発覚し、俊寛・成経・康頼は南海の孤島鬼界ケ島に流人の身の上となった。そこへ都から上使が赦免状を持って来るが、瀬尾太郎が読上げのは成経と康頼の名前二人のみ。悲しみの底に沈む俊寛であるが、次に丹左衛門が顕れ、重盛の情によって九州まで同船することを許される。歓喜する俊寛と仲間たちであるが、成経が千鳥を連れて乗船しようとすると、瀬尾が千鳥の乗船を拒否する。成経と千鳥の別れの悲しみの中、俊寛は見かねて千鳥を自分の代りに乗船させるよう頼み、これを拒絶した瀬尾を刺す。一家離散した現在、都に何の望みもない俊寛は一人島に残り、遠ざかって行く舟を見送る。