勢至菩薩

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せいしぼさつ


画題

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解説

画題辞典

実は大勢至菩薩という、仏教にて菩薩の名なり、阿弥陀如来の左の脇士にして浄土三尊の一なり、梵語に摩訶那鉢といひ、大精進、大勢至、勢至、無辺光などと訳す、智慧の大勢一切に至るが故に此名ありという、即ち智慧光を以て一切を照らし、三塗を離れ無上力を得しむ、 一たび足を投ずれば三千世界及魔の宮殿を震動すという、仏画として画かれたるもの、弥陀三尊として画かれたるものの外に、

京都二尊院所蔵に源空筆というものあり、近江長命寺所蔵亦名高し、国宝なり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

勢至は大勢至又は大勢至菩薩の略、梵語では摩訶那鉢といふ、蓋し此の菩薩の足を投じ給ふ処、三千世界及び魔の宮殿ために振動し、智慧の大勢一功に至るがゆゑに此名がある、『維摩経』には得大勢至と名づけらる、この菩薩始め念仏を行じて不退の位に入り給ふたので、此の世界に現はれ給ひ、常に念仏の行者を摂取してこれを浄土に迎へたまふ、観音菩薩とともに阿弥陀仏の随伴者であり、阿弥陀仏を輔佐する故、二脇士とされてゐる、阿弥陀に悲智の二門ある中、慈悲門を主るは観音菩薩で、智慧門を司るは勢至菩薩である。  (仏教辞林)

仏画として画かれるものは、多く弥陀三尊として弥陀観音と共に画かれるが、単独に描かれたものもある。

伝源空筆 (国宝)   京都二尊院蔵 筆者不明 (同)    近江長命寺蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)