『本朝廿四孝』

提供: ArtWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

総合

五段。浄瑠璃。近松半二・三好松洛・竹田因幡、他三名ら合作。角書に「武田信玄長尾謙信」とあり。明治三年(一七六六)一月 大阪竹本座初演。

 武田・上杉両家の確執を題材とし、そこに斉藤道三を絡ませ、また諏訪湖の「御渡り」の伝承や、中国において古今の孝子二十四人を選定し、その各人についての物語を集めた二十四孝の説話なども織り交ぜ、複雑に構成・脚色された五段構成の時代浄瑠璃。武田信玄と上杉謙信とによる戦い史実を背景に、山本勘助などの伝説を加えた、近松門左衛門の晩年の作品『信州川中島合戦』の影響を多く受けている。初演時には特に四段目が評判だった。  本曲は直ちに歌舞伎にも移され、大阪では明和三年五月中座で、江戸では安永五年夏中村座で上演、以後今日まで上演される。    



・「歌舞伎名作事典」演劇出版社 1996・8

・「歌舞伎事典」服部幸雄・富田鉄之助・廣末保編 平凡社 2000・1

・「演劇百科大事典」早稲田大学坪内博士記念演劇博物館編・河竹繁俊監修 平凡社 1990・3