「延慶本」

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総合

六巻十二冊。もっとも古い要素を色濃く残しているとされている本。寺社縁起、神仏に関わる説話、院宣・宣旨、記録類を多く取り込み、漢詩や漢文の摂取も目立つ。また、日吉山王神道、安居院流、根来寺伝法院方など唱導の影響が濃厚である。それら依拠資料の文体をそのまま反映しているため、全体としては文体の較差が甚だしく、そのゆえに古態性が強いとされている。資料・出典を明記し、由来譚・後日譚などについて考証する傾向が強い。頼朝関係の記事が多く、武家政権の到来を正当化する姿勢を見せている。