〈卒論〉

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総合

児雷也豪傑譚話

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絵師:三代目豊国

判型:大判/錦絵

落款印章:豊国画(年玉枠)

出版年:

版元:

改印:

配役:

上演場所:


■題材

『児雷也豪傑譚語』

作者、河竹黙阿弥。嘉永五年(1852年)七月、河原崎座初演。八代目市川団十郎の児雷也。

合巻『児雷也豪傑譚』によって脚色された作品。四十三編からなる長編合巻であり、天保十(1839)年から明治元(1868)年にかけて版行された。初編の作者は美図垣笑顔。以降、一筆庵主人、柳下亭種員、柳水亭種清が書き継いだ。モデルとなったのは、中国の沈俶撰『諧史』の盗賊我来也。初演時に児雷也を演じた八代目市川団十郎は滅亡した豪族の遺児で妖術を使い、『田舎源氏』の光氏さながらの容色をもつこの役を当たり芸とした。


『田舎源氏』

嘉永四年(1851)九月、市村座初演。八代目市川団十郎の光氏、坂東しうかの黄昏、市川九蔵の東雲。 柳亭種彦の小説「偐紫田舎源氏」を劇化した「源氏模様娘雛形」のうち野中の古寺の場だけが舞踊劇として独立して残ったもの。


■あらすじ

蝦蟇の妖術を得た盗賊児雷也は、妙香山の谷間で、山賊夜叉五郎および狼の頭をかぶった高砂由美之助に出会って藤橋の上に争う。児雷也は蝦蟇の妖術を使う。信州更科の富貴太郎は、児雷也と同じく生い立ったが女に迷い流浪の末、児雷也と思われて捕えられる。富貴太郎は児雷也が非道を行わぬ上大望のある身ということを知ってその罪を引き受ける。八鎌鹿六は色の望みを達するため、巫子宝子を呼んで祈祷をさせる。宝子に変装している児雷也は、黄金祭りに事よせて鹿六に有金二千両を床の間に積み上げさせ、祈祷のうちに奪い去る。一方富貴太郎がまさに首を打たれる瞬間、俄に雷鳴し松の立木が裂けて児雷也が出現し、富貴太郎を救ったのち、鷲の妖術で空高く舞上る。

■登場人物

児雷也...尾形の遺児周馬弘行は、成人して盗賊の頭児雷也となった。妙香山で仙素道人から蝦蟇の妖術を譲られた児雷也は、妖術を使って蝦蟇、更科都守之助、巫子宝子、大鷲、月影・更科両家への上使などに姿を変えながら敵を討ち、尾形家の重宝月影の印を奪い、月影家の田毎姫を伴って姿を消した。


仙素道人...妙高山の一つ家に住む仙人。妖婦越路に化けて児雷也を誘い込み、やがて白髪の老人の姿を顕し、児雷也に父・尾形左衛門弘澄が罪をきせられて、月影、更科の両軍に滅ぼされた物語をして、蝦蟇の妖術を譲る。

富貴太郎...新潟の熊手屋に現れる信州の金持ち。熊手屋の遊女あやめ太夫に惚れているが、あやめ太夫には信州更科家の若殿、実は児雷也が揚げ詰めで豪遊中のために逢えない。そこで祝儀をはずみ、居続けをきめこむが、あやめ太夫恋しさに部屋の近くへ行き、そこで回文状を拾う。児雷也詮議の騒ぎとなり、児雷也の一味とみられて召し捕られるが、打ち首の直前に児雷也によって救出される。


■歌舞伎十八番