アート・リサーチセンターでは、昨年四月に、春本(艶本)・春画研究の泰斗故林美一氏が蒐集され、晩年まで手許に置いておられた江戸戯作を中心とする一大コレクションを、遺族の方々から寄贈を受けました。当センターでは、すぐに林コレクションプロジェクトを立ち上げ、修復・整理・分類作業を続けてきました。私どもは、寄贈時のお約束であった「広く公開する」ことにこだわり、そのため、この膨大で質の高いコレクションの展覧会の開催に一年あまりでこぎ着けることができました。これには、様々な方々からのご協力をいただきました。まずは、関係各位に御礼申上げます。
 さて、林氏は、曲亭馬琴を代表として、後期江戸文芸の研究においても実績があり、コレクションそのものは、江戸中後期の戯作がジャンルにこだわることなく、バランスよく配置されていることに特徴があります。氏の著作の中心を占める春本(艶本)の名品も数多く残されており、これらは、このところアカデミックな場での研究対象として注目されているだけに、立命館という大学において、これらが展示されることは、大きな社会的なインパクトになると考えています。
 これを機に、是非とも一度センターにお立ち寄りいただき、江戸版本の美を御堪能ください。
                    (林コレクションプロジェクト一同)

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