ごあいさつ

 立命館大学21世紀COEプログラム「京都アート・エンタテインメント創成研究」では、様々なサブプロジェクトが活発に活動しています。今回は、これまで本プログラム共通の研究資料として重点的に収集してきた京都関連絵図資料の公開を兼ねて、みなさまに研究成果の一端をご覧いただく企画を立ててみました。題して「都名所今昔」。本会場には、 私たちにはよく見覚えのある風景が並んでいますが、作品に込められたさまざまな工夫や表現により、京都の魅力を再確認していただければ幸いです。
 京都は、近世期に入ってからの旅の流行によって、すでに日本最大の観光地としての地位を確立していました。葛飾北斎や歌川広重は、日本の各地を浮世絵に画いて、風景画のジャンルを確立し、多くの絵師たちが風景画を残しています。とりわけ京都は風景画家(絵師)に格好の題材を与えており、この傾向は、近現代に入ってますます強くなってきており、京都の風景や風俗を単発で、あるいはシリーズとして画いている画家が数多くいます。今回は、現代作家の一人、井堂雅夫氏の作品を展示し、関連講演会を持つことができますことも私どもの喜びです。
 また、本展示では、GISのインターフェイスや、WEB検索システムを用いて、会場に展示しきれない作品や、外部の研究機関が公開している「京都名所」にかかわる資料の閲覧システムも公開・展示しております。「京都の魅力をエンターテインメントする」本プログラムの研究成果の一部として、是非ご利用ください。
 最後になりましたが、ご支援ご協力いただきました関係者の皆様に改めて深甚の感謝を申し上げる次第です。

      2005年11月吉日

立命館大学21世紀COEプログラム
「京都アート・エンタテインメント創成研究」
代表 川嶋將生