二〇〇二年度、文部科学省が公募した二一世紀COEプログラムに、本学の「京都アート・エンタテインメント創成研究」が幸いにも採択され、そのもとで現在、二十八のサブプロジェクトが研究活動を展開しております。
このたび開催いたしました「中世の密教世界〜修法の覇者が夢のあと。」展は、サブプロジェクトの一つ「真言密教を中心とした聖教世界の研究」プロジェクトが、二ヶ年にわたり活動してきた成果の一端を、学内外の方々にご覧いただこうとするものです。研究活動は五ヶ年間、継続して行われる予定となっておりますので、今回の展覧会は、いわば中間報告となるわけですが、今後、継続して成果の公開を行っていく予定です。
出陳作品のすべては、財団法人藤井永観文庫の所蔵品です。これらは立命館大学文学部の出身、故藤井孝昭氏(一九一三〜八三)が、生涯にわたって蒐集されたものです。氏の没後、四〇〇余点におよぶ蒐集品の散逸を憂慮されたご遺族が、一九八四年に財団を設立して、これまで保存に努めてこられました。本展覧会では、そのなかから密教関係資料を中心に選び、展示することにいたしました。
本展覧会を開催するにあたりましては、財団法人藤井永観文庫の多大なご支援をえました。ここに深甚からの感謝を申し上げます。
二〇〇三年十一月
立命館大学二一世紀COEプログラム「京都アート・エンタテインメント創成研究」
真言密教を中心とした聖教世界の研究プロジェクト
   
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