蔦
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つた
画題
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解説
東洋画題綜覧
蔦は人も知る纒繞性植物で他の樹木や壁面などにまつはつて美しい葉を繁らせたり、断崖や岩壁などに這つてこれを彩つたりする、二種類あつて、一は葡萄科に属し、秋美しく紅葉するので地錦又錦蔦といひ、一は五加科に属する木蔦である、この方は冬になつても落葉せぬ処から、冬蔦と呼ばれ、漢名では絡石、常春藤、爬山虎、百脚蜈蚣などゝいふ異名がある、『つた』と呼ぶのは、『つたふ』といふ言葉の転訛で、古くは『ほと』と呼んだ、『ほと』は『ほや』の転訛で、『ほや』は寄生植物の名、葛が他の樹木や岩石などにまつはるからであらう。蔦紅業は美しいので、古から賞翫せられている。
時雨るれどよそにのみ聞く秋の色を松にかけたるつたのもみぢ葉 藤原俊成女
しけりあふ蔦の楓ももみぢして木かげ秋なるうつの山越 中務卿宗尊親王
蔦の紅葉を画いた作
横山大観筆 『秋色』 第四回院展出品
荒木十畝筆 『晩秋』 大倉喜七郎氏蔵
尾形光琳筆 『扇面の蔦』 岸上氏旧蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)