茄子
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なす
画題
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解説
東洋画題綜覧
茄子は茄子科といふ一科を為し『なすび』と呼ばれ、それが略されて唯『なす』と呼ばれるやうになつた、支那では崑崙瓜、又は紫崑瓜、落蘇などといふ、原産は中央亜細亜方面で、古く日本に渡来したものである、その形態等に就いては洽く知られてゐる所、我が国には古く
秋茄子わささのかすにつけまぜて嫁にはくれじ棚に置くとも
の歌があり、支那の詩文も時々見られる。
青紫皮膚類宰官、光円頭脳作僧看、如何緇俗偏同嗜、入口厚来総一般。 鄭安暁
茄子はその色彩、特長があり、茎も葉も紫色を帯び、花は淡紫色、菓は濃紫色で光沢があり如何にも美しい、それ故古来絵画に画かれたものなど枚挙に遑もなく、筆者不詳であるが奈良の唐招提寺蔵の茄子の図は茄子の画中の名品と称せられ、雪舟にも茄子五個を描いた名作がある、銭舜挙にもよい作があり、西本願寺の伝来である、此の外松花堂にもあり、竹田にもある、現代の人の作にも沢山ある。
福田平八郎筆 『茄子』 第八回帝展出品
荒木十畝筆 『秋圃』 第一回個展出品
西村五雲筆 『秋茄子』 第十三回帝展出品
永田春水筆 『背戸の月』 同
松林桂月筆 『蔬菜園』 同
川端竜子筆 『後苑蒐蔬』 第四回青竜展出品
森田恒友筆 『四季蔬菜図巻』 遺作集所載
前田青邨筆 『茄子』 石田貞吉氏蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)