瓢箪鯰
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ひょうたんなまず
画題
画像(Open)
解説
東洋画題綜覧
瓢箪で鯰を押へる図、双方滑かで容易に押へられずぬらりくらりとして一向に要領を得ないといふ意味であるが、対照が面白いので俗謡に唄はれたり、大津絵や俳画に好画題として描かれる、
出所明かでないが、『瓦礫雑考』に左の文字がある。
接ずるに此の諺は、もと禅家などに起りしことにや、相国寺の如拙といへる僧此の図を作れり、その序詞に云く
大相公俾僧如拙画、新様御座右小屏之間而命江湖群衲、各著一語其志。
とあり、如拙は画法を周文に伝へし人なり大相公とこゝにいへるは義満公にや、此頃より専らいひ弘しけるにや。
因にいふこれによりて見れば、大津絵といふものゝ、へうたんもてなまづをおさへたる鬼の念仏なる図なども、早くより画きたらむとおもはる、瓢箪に鯰といふ諺『守武千句』に
へうたんを見れば山からなまづにて
この千句は天文九年の作なり、此は如拙が画なり全図は春卜が集たる粉本にも縮めうつしたり。
此を図したもの既出、如拙の外に狩野探幽にもその作がある。(高橋箒庵庵氏旧蔵)
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)
なまず「鯰」の項を見よ。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)