木芙蓉
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ふよう
画題
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解説
東洋画題綜覧
木芙蓉を普通に芙蓉と呼んでゐる、錦葵科に属する落葉灌木で支那の原産であるが、台湾の海岸や琉球の一部には自生のものがある、春根株から芽を出し、数幹若しくは十数幹叢をなして繁茂し高さ五六尺から一丈位に達し葉は互生で一寸桐の葉に似てゐるが薄く、五つ又は三つ位に裂けてゐる、夏の末から秋の初にかけて花を開く、大さ直径三四寸位、淡紅色を普通とし白色のものがあり、重弁の種類もある、花弁は五枚で苞にも萼にも細い毛を生じてゐる、花がすむと蒴が出来てこの中に種子を蔵し、周囲には矢張り硬い毛が生えてゐる。芙蓉は美しいのでよく絵に描かれる。
牧谿筆 『芙蓉図』 京都総見院蔵
雪村筆 『芙蓉水禽図』 東京美術学校蔵
銭舜挙筆 『紅芙蓉』 浅野侯爵家蔵
周之冕筆 『鴨と芙蓉』 紀州徳川家旧蔵
松花堂筆 『芙蓉図』 伊達子爵家旧蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)