廬井鯨
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いおいの くじら
画題
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解説
前賢故実
壬申春三月、皇太弟(天武天皇)の将大伴吹負が軍を三つに分けて、自ら中軍の指揮を執っていた。大友皇子(弘文天皇)の将犬養連五十君が中道より吹負の軍へ向かって進んできた。鯨は二百人の決死隊を連れて、勢いよく吹負の軍営を縦横無尽に衝き進んだ。吹負の軍は鯨たちを阻止できなくて敗れそうになった。そのとき、先鋒の大井寺の奴徳麻呂が懸命に矢を射ってくれたので、鯨たちの前進はとどめられた。吹負軍の高市麻呂が鯨たちの背後にきたため、鯨たちは敗れてしまった。鯨は、白馬に乗って逃出したが、馬が泥田にはまった。騎馬に長けていた鯨は、急いで馬に鞭を打った。馬は泥田から抜け出し、逃げることができた。
(『前賢故実』)