安倍安仁
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あべの やすひと
画題
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解説
前賢故実
身長が六尺三寸あり、立派な体格であった。考えや感情を顔に出さず、威勢よく謀略に長け、施政の要領や朝廷の法令および制度を熟知していた。正三位権大納言にまで累進。安仁は、謙遜を重んじ、自分のことのように政務を執っていた。ある日、安仁は子弟たちに「諸国の租税は多くが領主に徴収され、朝廷に納める者は少ない。これは理に離反している。今、私の食封は余るほどあり、余った分を朝廷に帰したほうがいい。」と言い出すと、上表して大納言による食封を減らして、中納言による食封へ変えたいと願った。文徳天皇は安仁の行動を誉め称えて、その願いを特別に許した。貞観元年卒、享年六十七歳。
(『前賢故実』)