三人吉三廓初買

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San'nin kichisa kuruwano hatugai さんにんきちさくるわのはつがい


万延元年(1860)正月市村座初演。 作者:河竹黙阿弥

百両の金と、兄弟の恋をからめ、洒落本「傾城買二筋道」の文里、一重の情話をない交ぜにした。 文里一重の筋を抜いて、「三人吉三巴白浪」という。

あらすじ

<序幕>

江戸本町の小道具商木屋文蔵の手代十三郎は、安森家で盗まれた庚申丸の短刀を百両で売り、向島柳原で夜鷹のおとせに遊んで、そこでけんか騒ぎの捲込まれて、店の金百両を落としてしまう。

<二幕> 十三郎は身投げしようとするが、土左衛門伝吉に助けられる。 おとせは百両を十三郎に届けようとする途中、大川端で美しい女姿のお嬢吉三に百両を巻上げられ、川へ突き落とされる。それを見たお坊吉三と争いになり、通りかかった和尚吉三が仲裁に入り、三人の吉三は義兄弟になり、百両は和尚吉三が預る。

<三幕> おとせは、八百屋久兵衛の船に救われ伝吉の家へ送り届けられる。久兵衛が十三郎は捨子だと明し、伝吉が18年前に捨てたおとせと双子の実子と知れる。 伝吉は、かつて安森源兵衛の家に忍び入り、庚申丸を盗み、斑犬を切り殺した。安森家は断絶している。それを立聞きした和尚吉三は、父土左衛門伝吉のために百両を置いていく。伝吉は不正な金と思い表へ投げ出す。それをおとせに恋する釜谷武兵衛が持って逃げる。

<四幕> 武兵衛の行く手に現れたお坊吉三は百両を奪い、そこへ来た伝吉は金を貸してと頼むが、聞かないので、和尚吉三の父親とは知らずに殺し、小柄を落して去る。おとせと十三郎が小柄を拾う。

<五幕> 文里と呼ばれている通人の木屋文蔵は、安森家の娘で丁字屋一重となじみ子をもうけている。文里の妻おしずに預けている。産後の病のため一重は死期がせまり、我が子と文里夫婦と会う。

<六幕> 和尚吉三の住む巣鴨の吉祥院に、おとせと十三郎がお坊の落した小柄を持って訪ねてくる。 お嬢とお坊も来て、お坊は安森家の跡取りで、お嬢は久兵衛の実子とわかる。また、おとせは和尚の妹で、十三郎が双子の兄弟であることもわかり、二人は兄妹で畜生道に落ちたことを知る。 一方お嬢は大川端でおとせの金を奪ったのがすべての発端と思い、お坊は伝吉が和尚の父と知って二人で死のうとするが、和尚は兄弟の義を守り、おとせと十三郎を殺して二人を逃がす。

<七幕> 町の木戸は閉ざされている。捕手が二人を囲み、お嬢は本郷の火の見櫓の太鼓を打って町木戸を開けさせ、お坊を逃してやろうとする。和尚も現れ、三人は観念して差違えて死ぬ。