男舞
おとこまい
画題
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解説
東洋画題綜覧
昔、歌ひ女の男の装ひして舞うた一種の舞の名で、白水干を着、立烏帽子を被り、白鞘巻の太刀を佩き、今様歌をうたひ舞ふ、附物の楽器は笛、鼓、(雅楽の三の鼓、猿楽の大鼓)と銅拍子である、鳥羽院の頃、藤原通憲入道、新作して島の千歳、若の前と云ふ二人の歌女に舞はしめたのを始めとする、後に仮初の宴などで烏帽子、太刀のみで舞ひ出でたのを、白拍子といふ、それを舞ふ女の名称ともなつた。
抑吾朝に白拍子の始まりける事は、昔鳥羽院の御宇に島の千歳和歌の前、是等二人が舞出したりける也、始めは水干に立烏帽子、白鞘巻をさいて舞ひければ男舞とぞ申ける、然るに中比より烏帽子、刀を被除、水干ばかり用たり、さてこそ白拍子とは名付けれ。 (平家物語)
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)