王藻化生

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たまもけしょう


画題

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解説

東洋画題綜覧

に関する有名なる伝説で、三国伝来九毛九尾の狐といふ、太古天地の開闢に当り不正の陰気凝つて、一箇の狐となり、千年の齢を得て総身に金毛生じ尾が九に裂け悉く世界の人類を滅して魔界を出現しやうとし、先づ支那に現はれ殷の紂王の時、女の姿を粧ひ妲妃となつて紂王を耽溺せしめ、紂王の周の武王に滅さるゝや天竺に遁れ華陽夫人となつて斑足王を欺き、名医耆姿によつて観破せらるゝや又も支那に渡つて時を窺ふこと二百余年、周の幽王の妃褒姒となつて其国を滅ぼさんとして成らず、我が国に渡り来り、玉藻前となつて玉体に近づかんとし、陰陽博士安倍泰親に見破られ、妖狐は飛んで下野那須野に至り、遂に三浦之介義明上総之介広常に攻められたが妖狐は何時しか殺生石と変じ、なほも禍をなさんとするを、遂に玄翁和尚の法力に依つて破砕さるゝに至る、有名な伝説で『下学集』等にも見え、種々の戯曲となつてゐる。

これを絵に画いたものでは、昭和十四年京都に於ける山元春挙追悼展に梥本一洋が『玉藻化生』と題し聯作として発表してゐる。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)