ArcUP5238

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総合

翻刻

常磐は夫義朝 野間の内海に亡びて後 三人の子を倶なひて街に漂ふ 平宗清清盛の命をうけてこれを捕へ 福原の御所に引く 入道相国常磐が艶に迷ひて 三子を助命せられ 遠国に遠島す ときはゝ幼童をたすけんが為に貞操を破り 亡夫の遺命をついて源氏再起の基を含む 当に平家を亡ぼして武将の主たる人を産たまへる君なれど 晩年の盛衰 いとあはれなれば 何か本意ならざらん哉

常磐木の松の操を捨小舟 たよる島さへなみの中なる

応需 梅素亭玄魚筆記