須磨琴
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すまごと
画題
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解説
東洋画題綜覧
絃の一線なる琴、別に曲もあり謡もある、一絃琴と称せらるゝもの。
近き世に須磨琴と云ひて、一絃の琴世に散りぼへり、好事の人の、さる名をつけて、造り出でたる物なるべし、行平卿の云々をもて出拠とするなど笑ふに堪へたる事なり。 (北辺随筆)
河内国、駒ケ谷、金剛輪寺の僧一絃の須磨琴と云ふものを弘めらる、其図、又、謡ふ歌も、板琴知要と云ふ小冊子を印行して世に公にせれば、再びここにはいはず、弾法を伝へし人も、これかれありとかや、行平卿須磨のさすらへのつれ/゙\を慰まんとて造られしといへど、さることものに見えればしらず、何にまれ、一興あることゝいふべし、昇平の御代、文雅盛なれば、かやうの事もたくみ出す人、とりはやす人もあるなり、一旦は明楽といふもの大に行る、長崎巨鹿氏京に登りて弘めしなり、是も実の明楽にはあらず、長崎の踊り歌なりなどいふ人もありき、実否はしらず、人はすたれてこれを翫ぶ人もきこえず四十年前唐ぶりの行れし時のことにて、近年は国学を唱ふことしきりなれば、また一竹鼓律も須磨琴も時を得たるなるべし。 (閑田次筆)
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)