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くも


画題

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解説

東洋画題綜覧

雲は空気中の水蒸気の凝つて形をなし、空中の若干高い処に浮び漂ふもので、その象、種々に見えるので、雲の峰、雲の八重山、雲の林、雲の波、雲の柵などさま/゙\に謂ひ、学術上からも、巻雲、積雲、層雲、乱雲、巻層雲、巻積雲、積巻雲、層巻雲、層積雲、積乱雲などゝいふ、所謂雲の峰、入道雲などゝいふのは此の積乱雲のことであり、むく/\雲、綿雲などゝいふは積雲のこと、細かく波のやうな鰯雲と俗に称へるは巻積雲、刷毛でさつと刷いたやう筋雲といふのは巻雲のことである、なほ旗雲、笠雲などの称呼もあり、絵画にあつては霊芝雲、源氏雲などの名称もあり、また『芥子園画伝』には大勾雲法と☆(糸偏+勾)勾雲法の二法を示してゐる。

雲乃天地之大文章、為山川被錦繍、疾若犇馬撞石有声、雲之気勢如見、大凡古人画雲秘法有二、一以山水之千巌万壑相湊太忙処乃以雲間之蒼翠挿天、倏而白練横拕層々鎖断、上頭雲開髻青再露、文家所謂忙裏偸間、反使固者目速五色山水之一丘一壑、着意太間虚、乃以雲忙之、水画山窮、膚寸斯起陡如大海幻作層巒、如文家所謂引詩清寡以増文勢、余画山水諸法而殿之以雲者、亦似古人謂雲乃山川之総亦以見虚無法渺中、蔵有無限山皺水法、故山曰雲山、水曰水雲。  (芥子園画伝)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)