郭公

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かっこう


画題

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解説

東洋画題綜覧

郭公は体細長く嘴は細くして嘴峰彎曲し、翼と尾は長く尾は扇形である、脚は短く趾は二本前に二本後方に向つてゐる、此の鳥は蕃殖の習性が変つてゐて、自ら巣を営むことなく、卵は一個づゝ別々に他鳥(燕雀目に属する食虫性の小鳥)の巣に寄托し、其の巣の親鳥によつて抱卵孵化せらる、雛は同巣の卵より早く孵化し、他の卵を巣外に排棄し、自己のみ親鳥の哺育を受けて成長する、羽色は一見鷂鷹の如き色彩を有し杜鵑とよく似てゐるが、郭公の方が遥に大きく区別しやすい、本邦満洲等で繁殖し冬は支那南部、印度馬来、モルツカ、ニウギニア等に越冬する、我が国には三四月の候全国に渡来し秋南国に去る。   (動物図鑑)

俳句に閑古鳥といふのは郭公のことで、絵画に於ては、郭公は全く杜鵑と混同され、和歌などでは郭公の文字を『ほとゝぎす』と訓んでゐる、併し啼き声も全然違ひ、形も郭公の方が大きいこと、前述の通りである。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)