迦楼羅

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かるら


画題

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解説

画題辞典

印度神話中に伝えらるゝ鳥にして、金翅鳥、妙翅鳥ともいう。其翼金色にして、両端の長さ三百三十六万里、須弥山北方の大鉄樹に住み、龍を取りて食す。形は両翅を有する人身にして頸に如宝珠を懸け、口より火焔を吐くという。密教にては、この鳥王を以て大梵天、大自在天などの衆生を救わん為めに化現せる身なりとす。

山城醍醐寺に之を画ける国宝一点あり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

迦楼羅は印度神話に存する怪鳥の名、梵語ガルダで、又は掲路荼と記し、訳して金翅或は妙翅鳥といふ、一説にこれは正しい訳ではなく、その形状に就て名くる所、正しくは食吐非苦声と課すべきであると、印度の神話や仏教文学によると、迦楼羅はその形相鳥に属し、一切の鳥類の王とも伝へられる。故に迦楼羅鳥、或は迦楼羅王といふ、須弥山の北方にある大鉄樹に住み、翅翼金色で、両端相距ること実に三百三十六万里、日々須弥の四海を巡翅し、竜を捕へてこれを食すといふ、而して此の鳥は頸に如意珠を持し、常に口より大火焔を吐く、これを迦楼羅炎と呼ぶといふ、『法華経』序品には大威徳、大身、大満、如意といふ四種の迦楼羅のあるを説き、『華厳音義』にはこの鳥に対して異説ある由を説いてゐる。  (仏教辞林)

迦楼羅を描いたものでは山城醍醐三宝院に国宝の一点があるが、現代の画人の作では左の二作があり、それ/゙\に新しい解釈のもとに之を画いてゐる。

木村武山筆  第九回院展出品

菊池契月筆  昭和十二年七絃会出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)