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とおる


画題

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解説

(分類:戯曲)

東洋画題綜覧

能の曲名、諸国一見の僧が、六条河原に来ると老翁が現はれ、融の大臣が、その昔此の地に奥州の塩釜の浦を写して興宴遊舞の場としたことを物語る、そしてなほ僧の問にまかせて眼に入る四周の景色を教へて消え去る。僧はこの地に留まつて旅寝すると、融大臣の亡霊が出現し折しも中秋満月の夜色を賞しつゝ夜遊の舞楽を奏し、暁かけて月の都に入り行く。清次の作で、前シテは老翁、後シテ融大臣、ワキ僧、所は京都である。一節を引く。

「忘れて年を経しものを、又いにしへに帰る波の、満つ塩亀の浦人の、今宵の月を陸奥の、千賀の浦わも遠き世に、其名を残すまうぢぎみ、融の大臣とは我事なり、我、塩亀の浦に心を寄せ、あの籬が島の松陰に、明月に舟を泛べ、月宮殿の白衣の袖も、三五夜中の新月の色、千重ふるや、雪を廻らす雪の袖、「さすや桂の枝々に、「光りを花と散らす粧ひ、「ここにも名に立つ白河の「あら面白や、曲水の盃、受けたり/\遊舞の袖。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)