藤原内麻呂

提供: ArtWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

ふじわらの うちまろ


画題

画像(Open)


解説

前賢故実

sakBK01-0080-04_26.jpg

大納言真楯の第三子。累世の相門に生まれて、立派な容貌を持ち、徳があり穏やかで優雅な人であるため、士庶に心から敬服されていた。大同初年、大納言を拝し、右近衛大将を兼任。後に右大臣に昇進、從二位を叙せられた。将相を歴任、三朝の天皇に仕えていた。朝廷の大事を司って十数年、過ちがなかった。他戸親王が皇太子の時に、横暴で残虐な性格を持ち、名家の者を害そうとしていた。当時、人を蹴ったり噛付いたりする暴れ馬がいて、これを御せる者がいなかった。親王はこの馬に乗りなさいと内麻呂に命じた。馬は内麻呂の前では、頭を低くさげて暴れようとしなかったし、内麻呂が打つ鞭に従って走り回っていた。人々は皆不思議に思っていた。弘仁三年薨去、享年五十七歳。後長岡大臣と号していた。

(『前賢故実』)