老松

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おいまつ


画題

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解説

画題辞典

老松は謡曲の一なり。老松の神霊の出顕して、松と梅とのめでたき謂れを示せることを説くを一編の趣向とす。徳川氏の世、江戸城中の謡初式に用いられし曲とて、祝賀のものとして重きものと挙げられたり、老松を配景にその精を図せるは、謡曲老松の画として屡々画かるゝ所となす。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

謡曲の一、元清の作で、老松の神霊現はれて松梅の目出度い由来を示すことを作つたもの、京の辺り梅津の某は平生北野天満宮に信仰厚く、或夜霊夢を見て筑紫安楽寺に参詣し花守の翁から老松、紅梅殿の由緒を聞き、松かげに一夜宿ると、翁は松の霊となつて現はれ御代を寿ぐ舞を舞ふ、シテは老松の霊、前シテは翁、ツレは男、ワキ梅津の某、徳川時代には城中の謡初式に用ひられて来たので重きをなしてゐる一番である。

「扨て此方なる松をば、何とか御覧じ分けられて候ふぞ、「げにげに是も垣結ひまはし御注連を引き、誠に妙なる神木と見えたり、いかさま是は老松の、「遅くも心得給ふ物かな、「紅梅殿は御覧ずらん、色も若木も花守までも、花やかなるに引きかへて、守る我さへも老が身の陰ふるひたるまつ人の、翁さびしき木のもとを、老松と御覧ぜぬ、神慮もいかが恐ろしや。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)


老松のこと、年経りたる松、稚松に対していふ、謡曲『三笑』に

「万代を、松は久しきためしなり、「年を老松も、緑は若木の姫小松――」

の句がある。

大和絵風の松の老樹に斯く題するものがある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)