簔虫

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みのむし


画題

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解説

東洋画題綜覧

簔虫は一種の蛾の幼虫で簔虫科といふ一科をなす、その身から絹糸を出して筒形の巣を作りその中に体を入れてゐる、その巣には枯葉や枯木の枝など巧みに噛み切り編みこんでゐるので此の名がある、最も普通なのが茶簔虫である。

簔虫いとあはれなり、鬼の生みければ親に似て、これもおそろしき心ちぞあらんとて、親のあしききぬひき着せて、今秋風吹かんをりにぞこんずる、待てよといひて逃げていにけるもしらず、風の音聞き知りて八月ばかりになれば、ちゝよ/\とはかなしげになく、いみじうあはれなり  (枕草子)

此の文意を画いた作に、昭和七年革丙会出品、森戸果香筆『簔虫』がある。

なほ、此の虫のついた所を書いた作は極めて多い。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)