竹河

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たけかわ


画題

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解説

東洋画題綜覧

源氏物語』五十四帖の中、光源氏既に世を去つて、薫十四歳の春から二十三歳までの数々の物語が記されてゐる、髭黒の大将は関白の位に上り、玉鬘の腹には若君三人、姫君二人あつて何れも美しく、その比、薫は四位の侍従であつたが、これらの人々と往き通ひしつゝ、時に催馬楽の竹河など歌ひ興ずる、巻の名もそれから出てゐる。

あしたに四位の侍従のもとより、あるじの侍従のもとによべは、いとみだりかはしかりしを、人々いかに見給ひけんと、見給へとおぼしう仮名がちにかきて、はしに

竹河のはしうちいでしひとふしに深き心のそこはしりきや

と書きたり、寝殿にもて参りて、これかれ見給ふ。

又、夕霧の北の方雲井の雁の子、蔵人の少将も、此の姉の姫に思ひをかけ、時折遊びに通ひ、桜などかけて碁をうつて興ずる。『三番に数ひとつ勝ち給はん方に、花をよせて人とたはふれかはし聞え給ふ』などとある、これを『竹河の碁』といふ。

源氏絵の末段では優艶なる場面となつてゐる。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)